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痔瘻(じろう)とも関係あるの?
それぞれ併発することって、ある?
そんな切実なギモンにお答えします。
この記事の内容
◆インタビューメディア「ひとびとのひび」編集長
◆持病にめげずに働く制作会社1人経営者&ライター
2009年に「痔瘻」発覚・手術
2010年に「潰瘍性大腸炎」発症・通院
2012年に「クローン病」発症・入院
クローン病と痔瘻、潰瘍性大腸炎を併発することはあります。
働く社会人にとっては、日々の生活だけでなく仕事への影響も思い切り出てきます。
本記事では、3つの疾患にまつわる症状や治療をはじめ、3つの関連性や注意点を実体験やデータとともにお伝えします。
3つの疾患に全てかかった人間が、総合的に情報提供する記事は多くありません。
◆自分や大切な人が、どれかの疑いがある or 発症している
◆最近お腹の調子や便の状態が良くない気がする
◆トイレに行ったら血便が出た
といった方にはかなり有益なのでぜひ最後までお付き合いください。
肛門に現れた痔瘻から潰瘍性大腸炎、クローン病へ
2009年。
私の肛門に、ある日突然、異変が起こりました。
それがまさか、痔瘻→潰瘍性大腸炎→クローン病へとつながっていくとは・・・。
3つの疾患の特徴
ということで、私は見事に3つとも併発しました。
次からそれぞれの疾患について、私の体験もガッツリ交えながら詳しく解説します。
>>「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」は原因不明の指定難病なので、自治体へ申請すると医療助成が受けられます。
「痔瘻」の症状と治療とは
ある日、椅子に座ったときに、おしりに痛みが・・・
ニキビのような固く、小さな吹き出物がお尻の肉にできることから、痔瘻の幕は上がります。
痔瘻ってどんな病気?
肛門の内側には肛門陰窩(こうもんいんか)という小さなポケットのような空間がいくつもあります。
そこに細菌が入り込み、肛門腺という部分が化膿し炎症が広がります。
そのうち、炎症がお尻の周囲の肉まで広がり、膿がたまります。
※参考:「痔瘻」について、より専門的な情報は「痔-WEB」へ
初期症状
◆肛門付近にできたニキビそっくりの吹き出物が次第に大きく、柔らかくなり、ブヨブヨに。
◆潰れると膿と血が出るが、しばらくするとまた吹き出物ができる。
ニキビだと思いつつも一向に治らない。
通院・治療
◆街の肛門科クリニック受診:
皮膚疾患だと信じたく皮膚科の受診を検討するも、先に肛門科で「痔瘻じゃないから皮膚科へ」と言われることを期待し肛門科を選択。
◆初日にいきなり患部を麻酔&切開。とにかく膿を出し切る必要あり。
◆膿を出し切るまで通院。
手術
◆日帰り手術「切開開放術」実施:お尻の皮膚をくりぬいて瘻管(トンネル)ごと切除する方法。痔瘻でできた瘻管(トンネル)が複雑でなく浅い場所の場合、この手術法が多く用いられます。
◆切開開放術の手術時間は15〜20分程度。(麻酔の時間を入れてもトータル30分程度)
◆局所麻酔なので意識があるだけに、最初は怖いです。
◆手術費:数万円程度。病院、手術法、症状によりさまざまですが、私は切開開放術で3万円ほどでした。(痔瘻の日帰り手術をする病院はたくさんあります。)
術後・治療
◆術後は地獄。服薬だけでなく、一日に何度も傷口に薬を塗り、ガーゼを変える。
◆肛門内に薬注入。
◆大便時は傷口がしみる。(軟便・下痢になる薬を飲むため傷口に流れていく)
◆しばらくは風呂どころじゃない。お湯が傷口に入らないように要注意。
◆切開開放術は約1ヵ月半で完治
◆とにかく痔瘻に必須なのが座布団。コレなしじゃ生活できない!まだお持ちでない方は、少しでもお尻の負担をなくして再発を予防してくださいね。
「潰瘍性大腸炎」の症状と治療とは
私は、『痔瘻』にかかった翌年に『潰瘍性大腸炎』になりました。
食事中の激しい腹痛と便の量の減少が初期の自覚症状でした。
潰瘍性大腸炎ってどんな病気?
「潰瘍性大腸炎」は、基本的に大腸に症状が限定されます。
免疫機能が過剰に働くことで大腸の粘膜が炎症し、びらん(ただれること)や潰瘍ができる炎症性腸疾患と呼ばれる病気です。原因は不明。
初期症状
◆極度の腹痛、下血、一回の便の量の減少、便意があっても便が出ない(もしくは極少量)
◆一日に何度も便意に襲われる(10回以上)など
◆病変の範囲や重症度にもよりますが、血便や下痢、腹痛、発熱、体重減少(栄養素の消化・吸収がまともにできなくなっているから)など。
◆他にも発熱や貧血、さまざまな合併症が見られることも。
通院・治療
◆痔瘻で通院していた街の肛門科クリニック受診(痔の一種だと判断していた)
◆大腸内視鏡検査を経て「潰瘍性大腸炎」と診断
◆飲み薬と定期的な診察、検査
医師の言われたとおりにしていたのに約1年後に悪化→提携する大学病院へ→「クローン病」と診断
>>病院選びの詳しい話は後半で詳しく解説しています。
潰瘍性大腸炎の患者数は急増中
特に患者数が激増している今、申請が受理されるかどうかはとても重要です。
申請が通って医療券が支給されれば、1ヶ月の自己負担額(薬代含む)に上限が設定され、それ以上の金額を払う必要がなくなります。
上限の金額は、重症度や年間にかかった治療費によって変わります。
◆医療費助成制度の申請や更新についてはこちらで解説しています。
「クローン病」の症状と治療
潰瘍性大腸炎に襲われた約2年後、症状が悪化し大学病院で1週間の検査入院。
結果、「クローン病」の診断に変わりました。
クローン病ってどんな病気?
「潰瘍性大腸炎」と同じく炎症性腸疾患です。
大腸などの腸管から大量に出血するケースもあります。
初期症状
◆自覚症状としては、食事のときの激しい腹痛、排便時に下血することも。
◆他にも発熱や肛門付近の腫れ、痛み、体重減少などの症状が特徴的。
入院・治療
◆大学病院に検査入院し大腸だけでなく、胃や小腸まで消化器官を片っ端から検査。(1週間点滴のみで食事不可)
◆腸全体の炎症が激しく、特に下行結腸が狭窄し、腸閉塞目前の状態に。
◆約8週間おきに診察&血液検査&レミケード投与(点滴によるクローン病の免疫抑制の薬)
◆経過を見ながら不定期で大腸内視鏡検査
レミケードとは
クローン病と暮らす現在の状況
現在は、お陰様で寛解期(症状が落ち着いている状態)を維持しており、運動も飲酒(適量?)もできるようになっています。
※飲酒は医師からは止められていますが
【薬と食事】
◆2種類の錠剤(ミヤBM、ペンタサ)を一日3回服用
◆朝食:栄養剤「エレンタール」&果物 昼食:外食(ここだけは自由) 夜食:つまむ程度
ですが、今でもかたよった食事をしたり、飲み過ぎたりすると、「さしこむような腹痛」に襲われます。
皆さんの参考になれば、幸いです。
◆クローン病のための栄養剤「エレンタール」の飲み方についてはこちら
クローン病の患者数も急増中
『潰瘍性大腸炎』と同様に、自治体に申請することで医療費助成を受けることができますが、こちらもうなぎ登りに患者が増えています。
難病情報センター によると、クローン病患者数は2014年時点で4万人以上とされています。
1976年(昭和51年)は128人のため、40年足らずで約300倍に膨れあがったことになります。
そのたびに自治体にふるいにかけれることになります。
私は、クローン病が安定し「軽症者」となった分、1ヶ月の自己負担額(薬代含む)が1万円に上がってしまいました。
3つの疾患には併発しやすい理由がある
慢性的な消化管の炎症が主な原因のようで、大腸ガン・肛門がんなどに発展する可能性も指摘されています。
どれかにかかったら、違うどれかを患う可能性があるってことですね。
私のように痔瘻から始まって併発する場合も
ですが、逆の流れもあり得るし、どちらも珍しいケースではありません。
「ストレスの影響で、免疫系の反応である炎症が過剰に起こり、炎症性腸疾患を引き起こす」
と考えるのが、最も自然なようです。
「下痢」は3つの疾患に共通する恐ろしい予兆
それもシャワーを放水したような超液体の下痢。
生モノによる食あたりと飲み過ぎのせいです。
くれぐれも、下痢のときにふんばって勢いよく出すのだけは避けましょう!
潰瘍性大腸炎、クローン病では、下血と腹痛が特徴的でした。
でも最も辛いのが食事中の腹痛。
差し込むような痛みで食事を続けられなくなります。
便意をもよおしてトイレに行っても「便が出ない」とか「少ししか出ない」ということも。
これ、想像以上に辛いです。
「下痢」は恐いです。
大腸内視鏡カメラは予防にも検査にも必須
3つの疾患を早期発見するなら、絶対に受診するべき検査が、「大腸内視鏡カメラ」です。
肉眼で見る腸内の映像は、現実を知るうえで超有効ですし、どんな先生の話より説得力があります。
映像を見ながら解説を聞けるので、なおさらです。
街のクリニックなどでも大腸カメラ検査を実施しているところは多数あります。
保険3割負担で組織検査やポリープ切除までやって3万円程度、検査だけなら1万円以下という相場感です。
消化器系の難病で気をつけるべき3つの注意点
特に指定難病になって、治療や入院を通じて知ったことがたくさんありました。
その中でも注意したいのが、以下の3つです。
①病院選び
②食生活
③病気の恐ろしさ
ひとつずつ解説します。
①指定難病で実感した病院選びの難しさ
大事なのは、専門医がいること、患者数・手術数が豊富なことなど、いくつかあります。
【実体験と業界の常識をもとにした病院選びのポイント】
◆炎症性腸疾患の診療科がある、または専門医がいる。(「肛門科」や「消化器外科」)
◆診療実績、手術数が多い。
◆検査・入院設備が整っている。
◆指定難病や医療費助成制度についてきちんと説明してくれる。(症状、原因、治療方針などは当然)
この条件をクリアしている病院なら不安になることはないと思います。
ここは、肛門科では先駆的なクリニックという触れ込みだったんです。
でも実際は、潰瘍性大腸炎と診断しておきながら、「指定難病」や「医療助成」についてこちらが聞くまで何も説明がありませんでした。
診察も担当の医師がコロコロ変わり、不安に思うことも。
担当医が有名な院長先生で、患者数がやたら多く忙しいという事情はあったと思います。
なので、病院選びの際は注意が必要です。
でもその場合・・・
✔️「どうしても心配だから」「大きな病院で検査したいから」などと説得する
✔️自分でセカンドオピニオンに行く
✔️症状が悪化する
のどれかってことになってしまいます。
こればかりは、行ってみないと分かりません。サイトの口コミなんてあてにならない。
②食生活や栄養を見直すならコンビニは要注意
脂が多い。やたら辛い。甘い。食品添加物が多い。グルテンだらけ・・・
コンビニやファミレスに行くと、こういった食品もお酒も腐るほどあります。
不思議と腐りませんが。
もちろん個人差はあります。
私の場合、コンビニやファミレス、ファストフードが何日かつづいただけで、すぐに腹痛やガスだまり、胃腸の膨満感(お腹の張り)が現れます。
発酵食品は腸内環境を整えるのに有効ですが、個人的に納豆やキムチを毎日食べ過ぎると「腹痛」や「膨満感」にみまわれたりします・・・不思議。
ですが、クローン病でありながら、この程度で済んでいるのは相当ラクな方です。
食事制限を経験すると、食べられるものがあるだけでどれほど救いになるか実感しますね。
◆『食べられない』ことがどれほど辛いか。『食べる』は『生きる』の源です。自分のために、大切な人のために、体に良いことは少しでも試してみることをおすすめします。
持病のある人も、健康な人も、『食べられること』は希望だと思い知らされます。
③心も、未来もむしばんでいく病気の恐ろしさ
いま仕事に燃えている方、恋人との結婚を考えている方、大好きな趣味にハマっている方・・・。
もし、このような病気を患ったらどうしますか?
36才。完治して法人化し「もっとバリバリ行くぞーー!」ってタイミングで「潰瘍性大腸炎」、「クローン病」に。
クローン病当初は、食事もまともにできず、医師から『一生付き合う病気だから』と何度も念を押されるうちに自暴自棄になりました。
◆このまま仕事ができなくなったら・・・生活できない。
◆結婚しても相手に迷惑だし、お荷物になるだろうからムリだな。
◆子ども・・・欲しかったけどなぁ。。。
◆生活できないってことは・・ここで人生終わりってこと??
◆この先、生きていく意味ってもう何もない?
という思いが何度も頭をもたげました。
健康は、人間の土台です。
「人格」や「仕事」や「生活」なんてものは、すべて健康という土台の上に乗っかっているものです。
だから土台が崩れれば、簡単にどっかいっちゃうんです。
すると、表情がなくなります。
どうか、私のようにならないよう、健康に気をつけてくださいね。
病気といっしょに楽しく生きる方法を模索しよう
『もっと自分の時間を楽しみたい』『幸せな家庭を築きたい』『ビジネスで成功したい』・・・そんな大切な思いを病気なんかに奪われないでください。
「痔瘻」は手術で根治できますし、「潰瘍性大腸炎」「クローン病」も薬物療法は確立されてきています。
合併症や副作用など、消化器系の疾患にはまだ未知の領域もありますが、諦めずに創意工夫を重ねている先輩たちの声や体験談にも触れることができます。
健康な体に恵まれている方は、絶対にこんな病気にならないように生活を改めてくれることを祈ります。
最後までご覧いただきありがとうございます!
ご質問があれば、ぜひコメント欄に!
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