水道水の水は浄水場でつくられている。
そんなコト誰でも知っているゾ!と言いたくなるでしょう。
では、浄水場ではどんなことが行われて、水がキレイになっているかご存知ですか?
やっぱりポイントは、「高度浄水処理」ですね。
「高度浄水処理ってナニ??」
ということも含めて今回は、「浄水場のリアル」についてご紹介します。
プラス、緊急時のための「応急給水槽」についても触れていますよ。
読んでいるうちに、浄水場の見学に行きたくてウズウズしてくるかもしれませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
では、いきましょう。
▷この記事を書いている人◁
こんにちは!インタビューメディア「ひとびとのひび」編集長です。
15年ほど取材・インタビューしまくりの販促制作会社1人経営者&元コピーライターでもあります
★プロフィールの詳細は、ずっと下の方で紹介していますので、ぜひご一読いただけると有り難いです。
水道料金の原価ってどんなものが含まれているかしってる?詳しくはこちらの記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
水道水をつくりだす浄水場って、どんなことしてるの?
そもそも、浄水場で水がつくれるって、どんだけ〜、ってあたりから。
ここでは東京都水道局の管轄で最も大きな施設能力を持つという朝霞浄水場を例に見ていきたいと思います。
まずその施設能力。
なんと一日につくりだせる水道水の量は最大170万㎥(東京ドーム約1.5杯分)。
東京都で使われる水の約1/4が、ここ朝霞浄水場でつくられているのだとか。
かなりゴイスー。
浄水場では一体どんな行程で水道水がつくられているのだろうか?
※参考:東京都水道局 広報・広聴「水道・くらしのガイド 水道水が届くまで」
ダダダーッと、浄水場での工程が紹介されています。
あくまでも一般的な浄水場の例ということですが、ざっくり言うと、
◎沈殿:凝集剤などの薬品を使って水に含まれる細かい砂や土などを沈める
◎ろ過:ろ過砂によって、沈殿だけでは取り除けなかったフロック(細かい砂や土などと薬品が固まってできる粒)を漉す
◎消毒:ろ過した水に次亜塩素酸ナトリウムをまぜて消毒する
という流れ。
で、この「ろ過」から「消毒」までの間にさらに行われているのが、「高度浄水処理」というもの。
塩素消毒だけじゃない、水道水の高度浄水処理とは?
この朝霞浄水場では、高度浄水処理の施設である「オゾン接触池」と「生物活性炭吸着池」の前後に「ろ過池」を設置する方式を日本で初めて導入したということです。
では、その高度浄水処理の仕組みを見ていきましょう
簡単に言うと、通常の浄水処理(沈殿、ろ過、消毒)では取り除き切れない、臭いの元となる微生物なんかを除去するというもの。
※東京都水道局HP「水源・水質 高度浄水処理について」
◎オゾン処理:
オゾンの強い酸化力と殺菌作用でかび臭の原因物質やトリハロメタンのもととなる物質などを分解。
◎生物活性炭吸着処理:
活性炭の優れた吸着作用により、かび臭などを除去。
また活性炭の表面に繁殖した微生物によりアンモニアなどを分解、汚濁物質を処理。
東京都では、平成25年時点で、利根川水系の浄水場については高度浄水を100%達成しているんです。
ゴイスーっすよね。知ってましたか?
水道水を飲用できる世界でも稀な日本のインフラ事情
東京都が管理する浄水場がどのくらいあるかご存知だろうか?
「金町」や「三郷」「朝霞」を含め11ヶ所あり、それぞれ利根川・荒川水系、多摩川水系などから取水して水を浄化し、給水施設へ送られています。
ちなみに、マメ知識として。
東京都内に施設されている水道管を全部つなげるとどのくらいの長さになるでしょう?
正解は27,000km。
これ、地球の約2/3周分に相当するんだそうです。
東京都内の分で。理解を超えた数字ですよね。
※出典:東京都水道局「絵で見る東京水道」
東京都では災害時の水道水確保のための設備もゴイスー?
さらに驚きなのは、実は東京都には「応急給水槽」と呼ばれる設備があること。
災害時に備え、公園などの地下に非常用の水道水を蓄えているのです。
知ってました?
しかも、中の水は配水管との間を循環する仕組みなので常に入れ替わって新鮮な水がためられていると言います。
どんだけ〜!
この応急給水槽を含め、浄水場、給水所などを災害給水ステーション(給水拠点)と呼び、都内200ヶ所以上に設置、その水量は25mプール約2,000杯分にも相当するのだとか。
万一の際は、そこに行くことで給水してもらえるので、備蓄用のポリタンクなどはストックしておかないといけませんね。
災害大国に暮らす国民として。
ちなみに、災害給水ステーション(給水拠点)ってどこにあんだよ?!
という方のためにアプリも用意されています。
その名も、災害時給水ステーションマップ「ロケスマ」
興味のある方はぜひリンクをのぞいて見てくださいね。
災害時の備え、どうしてる?水の備蓄に水道水って使えるの?
私たち人間に必要な1日の水の量をご存知でしょうか?
1人、1日約3リットル。「備蓄は最低でも3日分の量」
と、東京都水道局のHPで推奨されています。
しかも水道水で備蓄をしても基本問題ないのだとか。
塩素が入っているということは、消毒作用があるということなんですね。
ただし直射日光を避けて保管すること。
常温なら3日間ほど、冷蔵庫なら10日程度OKなので、日付をメモしておくと良いぞ、と。
浄水器を使用したり沸騰させたりすると、塩素が除去されちゃうので気をつけましょう。
※出典:東京都水道局HP
いかがでしたでしょうか?
ご紹介したのは東京都水道局の浄水施設の例でしたけど、水道から飲み水が出てくるのって、全然ふつーのことじゃないってことなんですよね。
世界の約10人に3人は、自宅で安全な水を得ることができない。
といわれるだけに、これほどの水道施設をもつ国に生まれたことに感謝したくなりませんか?
興味のある方は、河川や浄水場へ送り出す水の源となる「水道水源林」に関する下の記事もご覧いただけると嬉しく思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!
「そもそも水道料金ってどうやって決めてるの?」その答えはこちらで紹介しています。
浄水場に水を送るためには、水源がないと始まらないですよね?
東京都の水を育む水道水源林についてはこちらで紹介しています。奥多摩の森も湖も、見る目が変わりますよ。
水道のアレコレに興味がわいてきちゃった方には、わかりやすいのでおすすめします。
各項目ごとにイラストや図表が使われ、解説がコンパクトなのが良いですね
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