ハンドメイドのアンティーク調インテリアに囲まれた、親しみとこだわりが寄り添う異空間。
Y.Nさんのお店に行って
いろいろインタビューしちゃいました!
縁もゆかりもありませんでした。
最初は表参道でオープンするつもりだったんです。しかも、僕ら夫婦ともう1組の夫婦、2家族でやっていく予定でした。
女性2人がランチ担当、夜の仕込み&夜営業は男性2人が担当するということで。
だから今でも店名にカフェ&バーと謳っているんですよね。
でも紆余曲折あって、夫婦2人だけでやることになったんです。
インテリアにこだわりたかった僕とビルのオーナーとの間で折り合いがつかなかったこともあり、違う街での出店を再検討することになりました。
そんなときに、目黒で飲食店を経営されている方とお知り合いになったことがきっかけで目黒という街を知ることになりました。
リサーチしているうちに惹かれていって、この街に決めてしまいました。それが2013年のことですね。
インテリアへのこだわりというのは?
とにかく一点モノにこだわりたかったので、グラスや食器、小物、照明、扉など、多くのインテリアをハンドメイドで統一しているんです。
ちなみにカウンターの板もハンドメイドです。内装もここまでこだわるバーはあまりないので、お客様に驚かれることもよくありますね。
ステキですね。グラスも独特な柄のものが多いですね
ふつう、バーでは柄の入ったグラスは中が見えなくなるので使わないんですが、うちではそういうことは気にせず、僕の好きなチェコのボヘミアングラスを使ったりしています。
お皿や箸置きはほとんどポーランド製ですね。
目黒に出店してみていかがでしたか?
銀座や六本木などと比べても目黒のお客様は上品でとても良いですね。
いわゆるアフターや同伴といった流れで来店されるケースもほとんどないのが魅力だと思います。
もし次に出店できるとしたら、やっぱり目黒がいいですね。
お店でありたいですね。
まだ構想段階ですが、次はガラッと違う形にしてみたいですね。
和風のテイストで、ビールからワイン、ウィスキー・・・何から何まですべて国産で揃えたお店にしたいです。
日本のものはおいしくて品質も良いって常々思っていますから。
ワインもですか?
国産のワインて、意外と皆さん偏見があったりするみたいですけど、実際に多くのワイナリーで試飲してきた体験からも、日本のワインのクオリティは高いと実感しています。
ただ、ボトルとかネーミングが・・・イマイチなんですよね。
ちょっと分かる気がします
あとは、バーの一角に個室をつくって、美容室を併設したお店も昔からやってみたかったんですよね。
もうそういう業態は出てきていますけど、うちのお店も含め、バーに来るお客様は日々忙しい方が多いので、なかなか散髪に行く時間がなかったりするんです。
ですから、そんな方たちに喜んでいただけるようなお店もいいですね。
ずいぶんラフなスタンスのバーですね
うちは基本的に癒やしというか・・・明日への活力を与えられるようなお店にしたいと思っているんです。
元気になって帰ってもらいたいので。
だから地域密着で、ご近所の方々に気軽に寄ってもらえるようなお店を目指しています。
でもバーって少し敷居の高そうなイメージがありますよね?
確かに、ホテルのバーとかだとドレスコードがあったりして入りづらいケースもあるかもしれません。でも街のバーは決してそんなことはないと思いますよ。
個人的には、あまりバーの常識とか振る舞い方とか、本やネットの情報など気にせず何も勉強しないで行った方が楽しめるんじゃないかなって思います。
おそば屋さんとか定食屋さんとか、身近なお店と同じように、思うがままに通うのが一番だし、お迎えする方としてもあまり変な固定概念をもって来られるのも・・・という感じもありますよね。
当店ならサンダルに部屋着で来ていただいてもOKなくらいです。
今は二足のわらじ生活を楽しんでいます。
いえ、以前は役者の仕事をしていました。19歳でタレント事務所に入ったのが1つの転機でしたね。
出身が神戸なので関西で活動していたんですが、そのうちたくさん仕事をただけるようになり、22歳の時に思い切って上京してきたんです。
内定していた就職を蹴ってまで。
そのくらい男のロマンというか、スリルのある世界に惹かれていたんですね。
バーテンダーの仕事との接点は?やっぱりアルバイトですか?
はい、役者をしながらバーテンダーのバイトをする人って割と多いんです。私もその一人でした。
手に職をつけるという意味もありますが、人の仕草やクセを見て盗んだり、度胸をつけるという意味でも役に立つことが多いんですよね。
カウンターの中も1つのステージですから。
それがきっかけで現職の世界へ?
東京で役者の道を目指す難しさを感じると同時に、そうしたバーテンダーの世界にのめり込んでいったという感じですね。
後悔はしていませんし、むしろその時の勢いで上京していなかったら、今みたいに東京で生活するチャンスなんてなかったと思います。
確かに、京都で生活されていた可能性は高そうですね
ええ、しかも川崎に家を買うなんて、絶対なかったでしょうね。
今は役者業とは無縁なんですか?
いえ、いわゆる役者の卵たちを育てる指導役として、専門学校で講師をしています。
自分の経験を生徒たちに少しでも伝えられたらなと。
ですから、朝は学校へ出勤し、夜はお店の経営・・・という毎日ですね。
夜って夜中までですよね?・・・多忙過ぎませんか?
一応・・・睡眠はとってますよ。
サプリ飲みまくってるんで!
お店でありたいですね。
何をやりたいのかも大事ですが、その前に大切なのは街のリサーチですね。これは絶対必要だと思います。
やりたいことがあっても、その街に決めたことで曲げなければならない条件も出てきたりしますから。
地価や周辺環境、人・・・など、街をきちんと知って、その上でターゲットを明確にすることが大事ですね。
まずは街とターゲットの分析ですね
ええ、あとはやっぱりコンセプトです。
「とりあえずバーをやってます」みたいなお店は絶対潰れますよね。
例えばうちの場合なら、僕が育てている食材とかもありますので、マスター自ら農家まで足を運んで畑を耕し、食材を育てています・・・というように、何かプラスαがあることはすごく大事ですよね。
それを聞かれたときに20~30文字くらいでパッと答えられる・・・そんなイメージを持つことが重要かもしれませんね。
対応力があるというのが理想ですね。
そうですね・・・バーの場合、お客様に話しかけて良いのかどうかの判断は今でも難しいところです。
お客様にムリをさせてしまうのはNGですので、静かに飲みたい気分なのか、そうでもないのか・・・お客様のその時の状態や個性といったところを把握したり、読んだりすることは常に意識していますね。
それは難しいでしょうね
思い切って話しかけてみたら、ダーッと一気に話してくださる方もいたり。
そんな時はこっちとしても嬉しいですよね。
そのために日々取り組んでいることもあるのでしょうか?
そのためということでもないですが、色々なお客様がいらっしゃいますので、政治、経済、芸能、スポーツ・・・幅広いジャンルの情報に目を通し、対応できるように心がけてはいます。
とはいえ、知らないことはあまり知ったかぶらないようにもしていますね。
素直に「ありがとうございます。勉強になりました。」という姿勢の方が、人として良いと思うんです。
意外とそういうバーテンダーって少ないんですよね。
勉強になりました!
こちらこそあざっす!