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『週イチ連載』社会人デビュー前夜 霧だらけのクネクネ道からくるっとコピーライターの道へ⑦

『週イチ連載』社会人デビュー前夜 霧だらけのクネクネ道からくるっとコピーライターの道へ⑦

やっとの思いでコピーライターとして初めての就職。健康食品や化粧品を自社で開発・販売し、その広告も自ら手がけるという画期的な会社。と思いきや、実態はまさかの・・・

そこら辺は前回、

『週イチ連載』社会人デビュー前夜 霧だらけのクネクネ道からくるっとコピーライターの道へ⑥
で、ふれました。

なので、そのつづきから。

似合わないスーツに身を包み、
息を切らし階段をかけ上がって最上階のフロアにある制作部へ初出勤。

それまで社長室と応接室しか通されていなかったため、

制作部のフロアはこの日が初めてです。

自社ビルとはいえ、決してキレイとは言えない、

かなりの築年数であろう狭苦しい5階建ての構造ですから、
ステキなオフィスを想像していたワケではありません。

制作部は最上階。
ということは5階です。

階段を駆け上がり、4階から5階へ向かおうとすると、

これまでより階段が短い。。。
見上げた先には、なぜか部屋ではなく重たそうな扉だけ。


「??」
こだわりなのか、トリッキーな施工主なのか、
とにかく上がって扉を開けてみると、そこは屋上。

そして、5mほど先に小さなプレハブ小屋。


「???」

もう一度、来た方角を振り返り、階下を見下ろすと、
そこはやはり4階フロアで、
女性たちが働いている姿が見える。

間違っていない。

ここは4階の、上。

おそるおそるプレハブに近づき、扉をちょっと叩いてみる。

「コン、コン」

数秒待ったかどうかのタイミングで、ガチャっと社長が顔を出した。


「やぁ〜おはよう。早く入りなさい」
「????」

制作部へ登場するなり「オハヨウゴザイマス!!」と
新人らしい謙虚さと元気の良さをアピールしてから席へ案内される、
そんなイメトレを繰り返してきたのだが、まさかの展開。

「屋上?プレハブ?ナニココ??」

「キミの席はあそこだよ〜」と社長に促されつつ、

社長の口から「今日からみんなと一緒に働く◎◎くんだ、
よろしく頼む、うん」

つづいて一同
「よろしくお願いしますぅ〜」「・・さぁすぅ〜」「・・・・・ぅ〜〜」

自分がどこまで挨拶したかも定かでないが、

気づくとほんの数歩先の、
フロアの一番奥の自分の席に通されていた。

狭い。

席に座ると背中側は一面本棚。

しかし、そこでさらに愕然とする。


恐らく資料として並べられているのだろうと予測できる
本棚のラインナップ。

そのほとんどが、いわゆるエロ本なのだ。

いやエロマンガもある。

どうでもいい、とにかくいかがわしくない本が極端に少ない。

見当たらない。

しばらく呆然と本棚に打ちのめされている私に、

初めて先輩が話しかけてきた。

「まぁ、そういう会社なんすよね、ここ。」

「は?」


「そのうち分かりますけど、広告って言ってもこういう・・・」


パラパラとエロ本をめくり、目的のページで


「例えばこんな広告とか、オレらで作ってるんすよ。あとこの商品も。」


「商品も?」


「はい、健康食品というか・・まぁこんなのを業者に発注して、

ガワのラベルとかパッケージとかのデザインもデザイナーに発注して。
で、ネーミングとか、広告のコピーとかは自分で考えて
レイアウトも考えてから形にしてもらう感じっすね。」

その商品の名前は覚えていないが、コピーには、これを飲むと背が伸びる的な最高に胡散臭いワードが散りばめられている。


「まさか、コピーライターって?」
「はい、オレらっす。」

「広告制作・・・も?」
「はい、全部こんな感じっす。商品はいろいろ違いますけどね。」

「マジっっっすかぁ?」
「すいません、マジっす。」


エロ本の疑問に対する完璧な回答ではあったものの、聞いてねーよ!

ちなみに化粧品というのも、これを塗ると白くなる、

シワが消える的な・・・そんなやつ。

確かに違法ではないかもしれないが・・・。

一瞬にして、自分の考えも見る目も甘かったこと、

なぜ未経験、大学中退の自分なんかが入れたのか、飲み込めました。

ただ、そうなると開き直るのも割と早い私。

「で、ワタクシの担当とかは?」

「キミにはコレを担当してもらうよ〜」


と社長が両手に抱えたダンボール箱を目の前に下ろすと、

中にはいかがわしいタイトルとパッケージに身を包んだ
ビデオテープがぎっしり。

「コレをみて、広告に掲載するコピーを考えてくれないか。

いきなりハードルが高いかもしれないけど期待してるよ〜。」

もちろん反社会的勢力ではありませんが、

こういう会社って本当にあるんだ?!
という驚きは隠せませんでした。

しかも社会人一日目の初っぱなからエロビデオ担当

・・・スーツの意味は?!と突っ込む気力さえ奪われ、
とりあえず大人しく自分の席に座りました。

お昼休憩でそのままバックレるかな、なんて思いながら、
改めて周りをぐるりと見やってみると・・・
さらに驚きの光景が飛び込んできました。

つづきはコチラ!
⬇️

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